グラフィックデザイナーが関与する限り情報は「製品」でもあり、そこには当然「品質」があります。そして、品質のよい情報とは、とてもスムーズでストレスのない理解をもたらしてくれるはずです。私たちの役割は、物事の本質をしっかり捉え、整理整頓し、それに触れる人々に本当の意味で力を与えられる姿や形として情報を社会に環流させていくことではないでしょうか。

「情報の美」に向かう道筋として「分かりやすさ」「独創性」「笑い」の3つのルートを設定してみました。これらは、より多くの方向から話題を集め、より多くの方々にご参加いただくために設けた、テーマへの導入路です。興味の湧くルートから「情報の美」にアクセスしてみてください。
情報デザインのゴールはユーザーに力を与えること。いかに「分かる」を効率よく生産するかということがコミュニケーションの核心にあるのではないかと考えます。
新鮮で独創的な情報の表現は、強い伝達の力を発揮して人々の耳や目を奪います。元来、クリエイターはこの局面で貢献してきたとも考えられます。
「笑い」とはきわめて純度の高い相互理解が発生している状況であり、高水準のコミュニケーション技術であると捉えることができます。

分科会にはさらに「アイデンティティ」「サスティナビリティ」「教育」のサブテーマが加わり、さらに広い領域について考えを深めます。
私たちはこの会議に向けて「VISUALOGUE」 (ヴィジュアローグ)という言葉をつくりました。これは、visual(視覚的)とdialogue(対話)を組み合わせた造語で、「新しい対話の形」を意味しています。つまり、会議の形や方法を新しくデザインすることに挑戦します。また、会場の空間や会議のすき間にも、新鮮な「VISUALOGUE」を仕掛けていきます。

「VISUALOGUE」は、これまでの「セミナー」とか「シンポジウム」といった呼び方に替わる、新しい会議の名称(スタイル)です。グラフィックデザイナーが開催する会議ならではの手法で、会議そのものをデザインしていきます。
例えばスピーカーは
中央で向き合い、
聴衆はそれを
とりかこんで…
例えば巨大な
スクリーンを背負って…
例えばスピーカーが
高椅子に座って
聴衆の真ん中に…